大判例

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東京地方裁判所 平成12年(ワ)10440号 判決

原告 大越けい子

被告 高橋秀臣

被告 岩本公雄

主文

一  本件訴えを却下する。

二  訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由

一  請求

被告らは、原告に対し、別紙陳述書が虚偽であることを確認する。

被告らは、原告に対し、連帯して、一〇〇万円を支払え。

二  事案の概要

本件の事案の概要は、訴状及び訴状補正書によれば以下のとおりである。

原告の本件請求は、すでに確定している土地建物所有権移転登記抹消登記等請求事件(東京地方裁判所平成八年(ワ)第一〇三〇七号事件、東京高等裁判所平成九年(ネ)第五八三〇号事件、最高裁判所平成一〇年(オ)第二〇二五号事件、同平成一〇年受第五二一号事件、以下「前訴」という)の第一審において、被告高橋秀臣(前訴における原告法定代理人後見人、以下「被告高橋」という)が提出した田村たい子名義の陳述書は、実質は被告らが作成したものであり(なお、被告岩本公雄は前訴控訴審における被告高橋の訴訟代理人である)、その内容が虚偽であるから、被告らに対し、その旨の確認を求め、更にこの陳述書及び被告高橋が第一審においてなした虚偽の陳述により、本来原告が勝訴すべきだった前訴において敗訴判決を受けたことにより精神的苦痛を受けたとして不法行為に基づき慰謝料を請求するものである。

三  判断

1  民事訴訟においては、証言、供述、提出された書証の信用性は判決の中で判断され、その判断に対する不服は上訴の中で主張すべきものとされている。

したがって、訴訟中に提出された陳述書が虚偽であるかどうかの確認を別途求める利益はないと言わなければならない。

また、原告が慰謝料を求める部分も、結局は陳述書、被告高橋の供述の信用性に関して不満を述べるもので、既に前訴において判断されていることであるから、実質は前訴の蒸し返しに過ぎない。前訴はすでに確定しているから、前訴で書証とされた文書が偽造であるというのなら、再審の訴えによるべきところ、そのような手続をとることなく、損害賠償請求をするのは、いたずらに被告らに応訴の負担を強いるものであって、正当な訴権の行使とは言い難く、訴権の濫用というべきである。

2  そうすると、本件訴えは不適法で、その後の訴訟活動により訴えが適法とされる見込みもないから、口頭弁論を経ずに訴えを却下することとし、主文のとおり判決する。

(裁判官 金子修)

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